女性の安全・安心を考えるシンポジウム

先日女性の安全・安心を考えるシンポジウムに参加してきました。

前半『性犯罪被害にあうということ』の著者である小林美佳さんの講演。
小林さんは2000年性犯罪事件に巻き込まれました。
自転車に乗って帰宅途中、車に乗っている男性から道を聞かれ、そのまま車に引きずり込まれレイプされてしまいました。

事件のことはきっと思い出したくない悲しい現実。それでも大勢の前でお話しされ、性暴力被害者への理解と支援を訴えます。

背の高い普通のOLさん風の小林さん。ただ訥々とお話しされます。レイプにあう時に耳元でカッターの刃を出す「カチカチ」という音が聞こえた事。車に乗っていた複数の男性の会話。警察に被害を届けた時、被害者であるのに(しかも事件直後)色々な角度から写真を撮られた事。つらい現場検証。

家族にも職場でも被害に遭った事を話せず、自分を汚いものと感じ生きてきた苦悩。

性暴力は「魂の殺人」とおっしゃった言葉が胸に重くのしかかりました。

私の住む福岡県は性犯罪発生率全国ワーストに名を連ねます。
警察への被害届の3?5倍の事案があると説明がありました。
しかし小林さんが被害者支援に乗り出しホームページ上でメールアドレスを公開したところ1300人から「同じような体験をした」との声があり、その中で警察へ届けたのはたった10人。
それだけ性犯罪被害は申告しにくいものだと実感しました。

後半は小林さん、福岡県警の女性警察官2名と林田スマさんが壇上に上り、会場参加型のシンポジウム。

会場からは「このようなシンポジウムで護身術等の話しをする前に、男性に向けて、『性犯罪をするな』という教育を広めるべきだ」との声も。

小林さんも自身の体験から「防犯、防犯を言われると、身を守れなかった自分を責めてしまう」とおっしゃってました。

会場は書ききれないほどの怒りとやるせなさに満ちた意見交換が続いたのですが、私はこんな事を考えていました。

「女はレイプされたら喜ぶらしい」というあり得ない勘違いをしている若い男の子が増えていると聞いたことがあります。

つい先ごろ、海外から非難の声を浴び続けてきた日本の性暴力ゲームが業界の自主審査機関により製造・販売を禁止されました。

しかし依然としてインターネット上には暴力的なもの、過激なもの、様々な性の情報があります。女性を陵辱するようなシーンを動画で見ることもできます。
子どもでもそれらを見ることができるのです。

小さい頃から当たり前のようにそのようなコンテンツを目にしては、人権だの男女共同参画だのと教育されてもピンとこなくなるでしょう。

日本の児童ポルノの問題も深刻であるにもかかわらず、審議されていた法改正がこの衆院解散で見送られてしまいました。

女性保護の観点だけではなく、援助交際など自分の性をお金に換えようとする感覚を持つ子も増えています。性に関するボーダー(壁?)がなくなりつつあるのが怖いのです。それがインターネットの影響だと言わざるを得ない状況にある事が悲しいのです。

全ての性に関するコンテンツをなくせ!と言っているのではありません。これからのインターネットサービスやコンテンツは、利用者の住み分けが必要だと思っているのです。フィルタリングだけでなく、全てのネットユーザーは子どもも見ている事を意識して情報を発信していかなければいけないと思っています。

子どもは生まれた時から様々なデジタルツールに囲まれており、感覚だけで操作をすることができます。大人が有害サイトを「見てはいけない」と言っても、クリック1つで(見たくなくても)見てしまえるのです。

思春期に性に興味が出てくるのは当然のこと。しかし、その時期には男女の性の違いを理解したり、他者を思いやる気持ちを知る大事な時期です。決して「レイプ?おもしろそ!」なんて思って欲しくないのです。

小林さんが被害に遭った後、誰にも話せず苦しい思いをしていた時、インターネットで同じような思いをした仲間と出会ったそうです。そこから様々な経緯があり被害者支援にまで辿りついたのでしょうが、インターネットがあったからこそ救われた
人も多くいるはずです。

このインターネットというツールを今後どのような文化として成長させていくかは、ユーザー1人1人の手にかかっているのではないでしょうか。特にこれからの社会を担う子ども達に、どのようにインターネットと関わらせていくかは、私達大人に与えられた大きな命題だと思っています。

この記事のカテゴリー ブログ-雑記
2009 年 7 月 29 日