子どものネット利用を傍目で見ていると、新たなコミュニケーションの形が生まれているように思います。
いじめや依存など負の部分が大きな問題となっています。
大人は「顔を合わせて話しをすることが大事だ」で済ませてしまおうとしまいますが、今を生きる子ども達には顔を見ずとも上手にコミュニケーションできるスキルも必要なのではないでしょうか。
例えば子どもに人気のアプリには豊富なスタンプ(絵文字)が用意されています。大人は文字メッセージを送った後にスタンプで感情をプラスするという発想で使いますが、子どもはスタンプだけでストーリーを作り上げ会話ができてしまいます。
「そんなの感情の行き違いが生まれトラブルの元になるだけだ!」と否定すれば良いのでしょうか。
私は新たなコミュニケーションの形を大人も理解し、使いこなせずトラブルになる子には何が足りないのかを教える必要があると思います。
ネットの中のコミュニケーションは難しいですよね。メールやLINEで感情の行き違いが生まれケンカになったなんて、大人の間でも聞かれることです。
では、上手く渡り歩いている人はどんな工夫をし、能力を持っているのでしょう。
人は言葉、声の抑揚、身ぶり手ぶり等総合的な情報で相手の感情や状況を読み取っており、メラビアンの法則で例えられるように文字情報だけではたった7%しか伝わらないというのは大人は経験上理解できるところです。
そんな顔を見ないコミュニケーションの難しさを伝えるのはもちろんですが、相容れない考えの人間と対立した時、攻撃的なメッセージを受け取った時の対応も知っておかなければいけないと思うのです。
だってそれで傷つき、一人思い悩み、最悪死を選んでしまう子どもがいるのですから。
『スルースキル』『スルー力』という言葉を目にすることがあります。ネットのスラングでしょうか。
スルーと言うとあからさまな無視と勘違いする子がいるかも知れませんね。
そうではなく、ネットの中で対立が生まれた時に、悪意のある発言をぶつけられても時には好意的に受け取ったり、議論を上手くプラスに転換させ相手を煽らず鎮火させるスルー。
こういうのが上手い人、いますよね。
子どもですし、思春期ですし、感情が爆発して抑えられないこともあるでしょう。
でもネットの中は大人社会です。それができてこそ使いこなせる能力があると言えるし、できない子にはまだまだ人間として未成熟な段階なのだ、大人同然に使いこなしているつもりでいてもそれは単なる過信だと理解させないと、子ども自身もなぜトラブルになるのか原因がわからず同じ所でつまづくばかりです。
不適切投稿をし炎上、個人情報をばら撒かれ、多額の損害賠償請求を受けたり、将来の夢を閉ざす事態に陥るような子にも言ってあげたい。
まだまだお子ちゃまねと。
自分はこれだけすごい事ができるんだと誇示したいのかも知れませんが、裏返せば自信のなさの表れにように見えます。
人間として成長していけば自ずと回りは認めてくれる。それをがんばろう!と。
大人も子どもも良い人も悪い人も入り乱れるネット社会。今の子ども達は生きるのも大変です。そして守っていく我々大人も大変です。でも諦めず、道を探して行きたいと思っています。