遠ざけるだけでは解決しない。子どものネット問題。

進学校・スポーツ強豪校として知られる桐蔭学園(横浜市青葉区)が4月に入学した中学1年生に1人1台iPadを貸与し、アクティブラーニングに活用しているという記事を読んで色々と考えさせられました。

先生もびっくり? 中学1年の意外なiPadの使い方
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1505/18/news016.html

我々も2007年に啓発活動を始め、以来言われ続けているのは『家庭での見守りができていない』という問題です。

『無関心な親が多すぎる』『子どもの言いなりに使わせ放題』・・・。
確かにそのような保護者もいるでしょう。しかし、私共が出会った保護者の大半は「どう使わせて良いかわからない」と見守りの必要性は感じているものの、正解がわからずそれぞれが悩んでいます。

自治体や学校が”◯時以降は携帯・スマホをOFFに!”と言うスローガンを掲げ取り組みをするのは、家庭での見守りが大切だ、子どもの生活を乱さないようにと【広く周知する為】に必要なことだと思います。

しかし、その先にもっと丁寧な大人のフォローが必要だと思います。

この桐蔭学園の事例に学ぶべきことは、大人の見守りの中で小さな失敗をさせる。ネット社会の中でもしてはいけないこと、守らなければいけないことを教えるということだと思います。

この学校が行ったように、先に肖像権の侵害について伝える等リテラシー教育をする、フィルタリング等を使って利用範囲を制限する等の措置をした上でも、子どもは大人が想定している以上の使い方をするのです。

必要なファイルを削除してiPadを初期化してしまった生徒もいたそうです。
フィルタリングでブロックされたWEBサイトを検証したら、芸能ニュースやブログだということがわかった。使わせたからこそ、大人がその現状を把握できたのではないでしょうか。
※フィルタリングの設定ではブログは一切ブロックする場合があるので、学習に役立てる為に開いた先がブログだったという事も考えられますね。

これは家庭にも置き換えることができます。
利便性を認めた上で、ネット社会を渡り歩く為には大人並みの知識や能力が必要であること。
フィルタリング等保護者管理機能を使ったり、子どもの使い方を目で見て、不適切な使い方があった時になぜいけないかを話し合うことが大切です。

「子どもの方が何歩も先を行っていて口出しできない」という声も多く聞きますが、ネット社会も人間が作り上げたものです。保護者が培ってきた社会経験、価値観が役に立たないわけがありません。

尻込みせずに口を出してみましょう。もちろん子どもが興じている流行のサービスの何が楽しいのかを保護者も体感していれば、お互いに納得できる話し合いに近づくでしょう。

それともう1つ!いい使い方をしていた時にはほめましょう。親が気付かなかったネットの利便性を子どもに教えてもらうこともあると思いますよ。家族で楽しんでネットを使う中で一緒に学んでいけばよいのではないでしょうか。


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