福岡県糸島市にある前原中央保育園で、保育園児のiPadを使った活動(ICTタイム)を視察させていただきました。
こちらは私もお世話になっている(株)NEL&Mさんが、園のICT活用を全面的にサポートしていらっしゃいます。
月1回のICTタイムを取り入れている年長クラスの今日の活動は「タングラム」でした。
「タングラム」とは、三角形や四角形、サイズが違う7つのピースを、問題として示されたシルエット(ネコやツルの形など)に当てはめるパズルです。
小学校では3年生の算数に出てくる図形の単元です。
私はタングラムをすると聞いて、iPadの中でパズルをするのだろうと思っていたのですが、予想はいい意味で裏切られました。
最初にインストラクターの先生がiPadのアプリを使い、スクリーンに映し出しながらタングラムをして見せます。それを見て学び、いよいよ園児がタングラムに取り組む時間になりました。
ところが園児に配られたのはiPadではなく、紙のピース(幼児が扱いやすいようにラミネート加工されていました)。3人が1グループになってタングラムを作り上げます。
「自分たちもiPadを使いたい!」とダダをこねるのでは?と不安がよぎりましたが、それは杞憂に終わり、皆いつの間にかタングラムに引き込まれていました。
何通りかのパズルに取り組んだ後は、「自由になにかの形を作ってみよう」と課題を与えられました。
たった7つしかピースがないのに、見事に色々な形が作り上げられます。
こちらのICTタイムの特徴は「必ずグループで活動をする」「デジタルだけで完結せずアナログな具体物と行き来する活動」「成果物を皆に紹介したり、インタビューをする発表の時間を設ける」とのこと。
まさに次期学習指導要領で肝とされている【主体的、対話的で深い学び】を見据えたカリキュラム設計だと思います。
子ども達の姿を見ていると、iPadというデジタル機器は子どもが頭の中に繰り広げるイメージを表現する為の、単なるツールにしか過ぎないと言うことがわかります。
どのグループも完成すると先生だけでなく、視察に来ている私達にまで「見て!見て!」と主張してきます。そしてほめられると本当に嬉しそうです。
最後にグループで完成させたタングラムを大きなスクリーンに映して「〇〇を作りました。〇〇をがんばりました」と発表すると、見ていた子から「ここの色がきれいです」等、互いに認め合う感想がたくさん出てきました。発表も回数を重ねるごとにどんどん上手くなっていくそうです。
子どもは機器をひとりぼっちで使うより、誰かと共に使ったり、できたことをほめてもらう事が大好きなようです。
おうちで使う時も、工夫次第でよい使い方ができそうですね。