2013/9/27 福岡市立愛宕小学校6年生の保護者学習会で講師をさせて頂きました。
その日私はちょっと変わった、そして感動の体験をすることとなりました。
「修学旅行説明会の後、子どものネット利用について保護者学習会をしたいので、保護者に伝えるポイントを教えてほしい」」と持ちかけられたのは6年生の担任の先生からです。
日頃からお世話になっているので「その日は空いてますのでお伺いしますね」とお返事しましたが、私が行かなくても先生方のお力で学習会を進める構想だったのかもしれません。ちょっと出しゃばってしまいました。
通常保護者向けの講演はPTAや地域活動の役員さんからご依頼があります。
今回は全く学校主導です。
事前の打ち合わせあたりから、これは面白いことになりそうな予感がしていました。
なぜならゲスト講師におまかせではなかったからです。
子どものネット利用は言ってみれば家庭で起きていること。トラブルが起きれば学校が対応せざるを得ないのが現状ですが、責任は誰にあるか。本当は保護者です。
学校が子どもへ学習の機会を設ける事はしても、積極的に保護者の学習に関わることは、もしかしたらしなくても良いのかも知れません。
でも愛宕小の先生は、教師として子どもの今の育ちを、そして卒業してからの育ちを守りたい。だからこそ、教師として見えている子ども達の今の姿を伝え、今後心配される事を一緒に考えて行きましょうと保護者に投げかけておられました。
私は一般的に子どもの間で起きているトラブルの現状や対策をかいつまんで説明させて頂いただけです。
先生は子ども達にあるサービスを使ったらいけないと禁止令を出しているそうです。
先生はおっしゃっていました。「教師がこんな権限はないのはわかっているし、使う子は使うだろう。でもそれが考えるきっかけになればいいし、抑止力になれば良い。保護者の皆さんも困った時には私を悪者にしていい。先生もダメと言ってたでしょと」
ここまではっきり言い切られる先生はなかなかおられません。保護者から変な取られ方をされかねませんからね。
でもあえておっしゃるんです。
それは先生がネットの問題だけではなく、日頃から子どもと保護者に全力で向き合っている裏付けがあるからだと思います。きっと保護者の方も納得されたと思います。
締めは先生から「保護者の皆さんもこの問題を様々な場で話題にして、我が家なりのルールを作れるよう情報交換をしてください」とおっしゃっていました。
トラブルが多いからなるべく使わせるな、ではありません。
教師の本気をここまで見せられたら、親もうかうかしておられませんよね。
実はこの日の保護者参加率90%。「あぁなるほど修学旅行説明会があったしね」・・・ではなかったのです。前回の参観懇談も90%だったそうです。
決して働く親が少ない校区ではありません。なんとかやり繰りして皆さん参加していらっしゃるはずです。
すごい数字だと思いませんか?
それだけ学校と保護者の信頼関係が基盤として出来上がっているということでしょう。
その場の空気感を伝える文章力がないのがもどかしく思います。本当に素晴らしい学習会だったと思います。そして少しでも関わらせて頂いたことを感謝し、今後の活動に役立てたいと思います。
愛宕小の先生方、保護者の皆様、本当にありがとうございました。
追記:こちらの学校がネット絡みのトラブルを抱えているわけではありません。どちらかと言うと、子ども達はネットの経験値は少ない印象を持っています。それでも後手後手にならないよう、前向きに学習の場を設けるところがまた素晴らしいと思いました。