高校生ICTカンファレンス 2016 in 福岡 盛会のうちに終了

2016/8/18 アクロス福岡にて高校生ICTカンファレンス2016 in 福岡が開催されました。

高校生ICTカンファレンスとは、高校生として情報モラルについて自ら深く考え、実践することで、将来のより良いインターネット利用環境の構築の一助とする事と、初対面の人と話し合う熟議の技術を修練することを目的とし、全国各地で開催されています。福岡県は昨年に引き続き2度目の参加です。

今年は12校43人の高校生が参加してくれました。
7グループに分かれ最初はどのグループも緊張の面持ちですが、熟議が高まるにつれ皆が立ち上がりテーブルを囲んで意見を交わす場面も見られました。

今年のテーマは「ネットトラブル!どうする?【予防】と【対策】 ~トラブルに巻き込まれないために、巻き込まれたら~」です。
模造紙に貼られた付箋は数えきれないほど。私たち子どもねっと会議所は、熟議の内容を記録する書記役として参加しました。ファシリテーターは福岡県立大学の学生さんが盛り上げてくれ、大学生が「鳥肌が立つ」と舌を巻くほど、感心する意見が飛び交ったようです。

グループから漏れ聞こえてきた一部をご紹介します。

・ネットトラブルっていうけど、LINEやTwitterもネット?それはSNSじゃないの?(彼らの境界線は違う?)

・架空請求、周りと巻き込んだSNS上のケンカ、LINEで流した不適切画像がTwitterに流れ問題に!(そこそこトラブルも経験しているのですね)

・中学校で情報モラルの講演をさんざん聞かされ、でもそれきっかけで正しい情報源から正しい知識を得ようと思った(繰り返し教育することは大切ですね)

・敬語ばかりで話すから荒い言葉遣いをされると傷つきやすい。時にはあえて荒い言葉遣いしばりで会話してみるのはどうだろう(耐性をつける? 笑)

・古語や英語で言葉を交わすと、むかつく内容でも意外とあっさり受け流せることが多い(コミカルな雰囲気を醸し出すんでしょうね)

・ポケモンGOは事故に巻き込まれるという理由で問題視されていることについて。「包丁を持ったら殺人事件が増えるのか?」という議論に発展(問題はアプリではなく、使う人のモラルだという本質に気づいた?)

・LINEで告白するのは中学生まで。高校生は面と向かって。でも別れる時はLINE(ほぉ )

・RMT、キーロガー、ショルダーハッキング(書記役が知らない用語も当たり前に会話上に)

・個人情報流出は完全に防ぎようがなく、漏れること前提にどうやって身を守るかを考えなくてはいけない。(だね)

・ネットを使った時間、別のことをすれば何ができたか 例えば英単語何個覚えられたとか、読書どれだけできたと代替え案を表示するアプリを作ればいい!時間の消費を創造に!(世界初の新システムだと自画自賛していた)

・SNSにふり回されるのではなく、使いこなそう。(そうだ!そうだ!)

2時間このテーマで意見出しをし、残り30分でPowerpointにスライド作成。シナリオ、役割を考えて、ステージ上で発表しました。

まずたった30分でプレゼンを完成させてしまう高校生達のスキルに驚くのですが、あるグループは全員スマホを手にしてステージに上がりました。時々スマホを見つめながら発表しています。なんと考えたシナリオを瞬時にLINEで共有してカンペにしていたのです。

初対面のメンバー、この短時間でプレゼンをやりのけてしまう。しかもLINEでシナリオ共有なんて大人にしてみれば「なんて機転のきく!」行動なのですが、デジタルネイティブにしてみれば、ごく当たり前の行動なのかもしれません。

青少年のネット問題。青少年と十把一絡にできないほど、個々のネットリテラシーには差があります。
そして大人が思っているほど未熟でもない。
デジタル機器に囲まれて育って来た彼ら特有の良い勘所も持っています。
リスクや危険の教育と同時に、今後インターネットが社会を照らす一助になるよう、そのアイデアや行動を頭から否定することなく育てていける環境を整えるべきだと痛感しました。

福岡県立福岡中央高等学校が投票で福岡県代表に選ばれました。11月3日に全国各地の代表となった高校生と更に熟議を重ねることとなります。
参加してくれた高校生達には、この場で感じた事を周りの友達と話し、考えを深めてもらえると嬉しいです。
そして私たち大人にもたくさんの気づきを与えてくれたことに心から感謝しています。