中高生ICTサミットin久留米が開催されました

2017/12/17 中高生ICTサミットin久留米が行われました。

福岡県は2015年から3年間、高校生ICTカンファレンスに参加。
そしてその手法を学び、昨年からは福岡県独自のイベントとして、中学生も交えた中高生の熟議を開催しています。

子どもねっと会議所も企画段階から関わらせてもらい県と協議を重ね、

・中高生の多くはインターネット、コンピュータ技術のとても狭い世界しか知らない。
・機器やアプリの使い方を考えさせるだけが情報モラル教育なのか。
・AI等、テクノロジーの可能性や現状を彼らに知ってもらいたい。
・誰かが作ったシステムを漫然と使うだけでなく、ICTを活用すれば自分の生活や社会がよくなるのではないかとゼロから発想する力も今後必要。
・その素晴らしさに期待感を持つことができれば、現状打破できていないSNSでのトラブルやネット依存などに躓くのはもったいないことだと思えるのではないか。

とねらいを定めました。

幸い(株)グルーヴノーツの佐々木久美子会長に来て頂くことができ、AIに留まらず、ご自身の学生生活や起業にも話しが及び、キャリア教育にも結びつく貴重な講話となりました。

講話後、最初に頭の体操として「身近な問題や社会全体の課題を、ICTを活用して解決できないか考えよう」をテーマに熟議をしました。

小さな問題、個人的な問題、社会の大きな課題、なんでもかまわない。解決方法も実現不可能そうなアイデアで超!OK!

たくさんの、そして学生らしいアイデアが共有され、佐々木会長にコメントをもらったところ、「みなさんが出してくれたアイデアは、ほとんど既に実現しているんですよ」と。
・・・知らない間に進んでいる情報化社会にあ然とする学生達 

また、遠路福岡まで参観に来てくださっていた(株)ラックの吉岡良平氏にもコメントを頂き、「ICT活用の良い側面を考える上で、それにより何が失われるかも同時進行で考えなければいけない」とセキュリティのお話しもあり、お二人のコメントが最後まで彼らの頭に強烈に残ったようでした。

次のテーマは「ICTをよりよく活用するために、これから必要な力(知識・能力・モラル)を考えよう。そして今何をするべきなのか発表しよう!」とし、熟議の内容をまとめグループ毎に発表してもらいました。

発表では、よくある「コミュニケーションを大切にしよう」とか「ネットに依存しないようにしよう」で終わることなく、自身がシステムを開発する側に立ったと仮定し、開発者、利用者、それぞれに求められる知識・能力・モラルを分析したグループもあったし、どのグループからも多く聞かれたのは「私達は知らないことが多い」という声でした。

「知らない」ということに気づけたのは大きな成果だと思います。
ICTで何が実現できるのか、できないのか、もっと知りたい。
その彼らの貪欲さは、きっと自身や社会をよくする為にICTを活用しようと意を強くしてくれたと信じてやみません。

特に今回目を見張ったのは中学生の活躍でした。中2女子がリーダーシップを取るグループもあったぐらいなんですよ。

中学生も楽しかったと感想が出ましたし、中学生を置き去りにしない高校生の配慮も本当に微笑ましかったです。
中学生もしっかり議論できるんですよ。早くからこういう場に参加し、当事者意識を持つ子が増えるといいですよね。