お世話になっている子どものインターネット利用を考える研究会(以下、子どもネット研)さんが、第3期報告書、保護者向け啓発教材を公開しました。
2008年から始まった研究会も第3期となり、今期のテーマは「保護者向け教育啓発のあり方」です。
私共も様々な場で保護者向け啓発講演をさせてもらっています。しかし講演形式の啓発は関心を持った保護者、講演に出向く時間がある保護者にしか届かないという限界があります。
子どもネット研今期の研究会では、啓発を行なっている団体からのヒアリングやWEB上での保護者アンケート、また全国各地に出向いて保護者へインタビューを行い、現在の啓発の次のステップとして、社会教育生涯学習や社会心理学の知見を取り入れ、講演スタイルの集合型研修に加え、グループワークやロールプレイを取り入れた共感型・参加型スタイルを提案しています。
また実際に札幌市、横浜市と協働し調査研究を反映させた保護者啓発を行なっています。
また、現在私共のような自主的に取り組む市民団体や、警察、携帯会社、教育委員会、消費生活センターなどがバラバラに行なっていた啓発を自治体が取りまとめ、それぞれの専門性や特徴を生かした教育ができるよう役割分担をしたらどうかという提案もしています。
他にも今までにない挑戦的な提言が盛り込まれていますので、どうぞご一読ください。
子どもたちのインターネット利用について考える研究会、第三期活動報告書
また、保護者向け啓発に使えるスライド教材「保護者のためのインターネットセーフティガイド」が更にレベルアップし公開されています。
この教材は、トラブル事件事例、それに対する保護者へ期待される取り組みのみならず、携帯ゲーム機やスマートフォンなど、広がる子ども達のネット機器、Wi-Fi環境の普及など最新の情報も盛り込んだものとなっています。どうしてトラブルが起きてしまうのか、その構造についても触れられています。保護者の関心と理解を深めることは間違いないでしょう。講師用の補助資料もあります。
保護者のためのインターネットセーフティガイド
子どもネット研はヤフー株式会社と株式会社ネットスターが共同で立ち上げ事務局となり、運営協力企業にピットクルー株式会社他が名を連ね、また研究会委員にもこの問題を専門に研究しておられる先生方など、多くの力が結集されています。
モデル教材も汎用的な作りとなっており、出典を明記すれば改変可で公開されています。CSRと言ってしまえばそれまでですが、関係企業が本当に子ども達にも安全なインターネット環境づくりを願っている事を心強く感じていますし、教材も感謝しつつ使わせてもらいたいと思います。