乳幼児にスマホやタブレットを使わせる親をどう思いますか?【スマホに子守り問題】(2)博多で白熱議論

全国で子どもの安全なネット利用に日頃から精力的に活動している皆さんが9月某日博多に集結し、乳幼児にスマホやタブレットを使わせることについて議論をしました。

▼▼▼参加者(敬称略)▼▼▼
[コーディネータ]
桑崎 剛安心ネットづくり促進協議会/熊本市立総合ビジネス専門学校 教頭
[主催]
永坂 武城安心ネットづくり促進協議会一般社団法人情報教育研究所 代表理事
[パネリスト]
松田 直子特定非営利活動法人イーランチ 理事長(静岡県焼津市)
川合 ちえみ一般社団法人情報教育研究所 情報モラルアドバイザー(愛知県豊田市)
田中 康平株式会社ネル・アンド・エム 代表取締役(佐賀県佐賀市)
井島 信枝子どもねっと会議所 代表(福岡県福岡市)
他新聞社3社4名▼▼▼▼▼▼

 

田中氏や記者の方の中にも今乳幼児を子育て中のジャスト世代がいたり、その他のメンバーも各々の子育て経験や、今まで取り組んで来た青少年の安全なネット利用と乳幼児問題を照らしあわせながら意見交換をしました。

 

乳幼児の子育てにスマホやタブレットを取り入れることには懸念を抱く有識者がいる一方、その実態把握や学術的な研究、調査はまだ乏しく、またこのことに無関心な保護者が多いのも事実です。

数少ない調査資料や活動の中で得た情報、実感から今乳幼児の子育てをしているパパママを考えてみた時、中高校生ぐらいに携帯電話が急速に普及し、情報モラル教育はあまり受けていない。ファミコンに夢中になった世代で大人になった今もゲームを楽しむ姿が多く見受けられる。
子どもに使わせることにも抵抗を抱いていないのでは?という指摘もありました。

 

一方、子育て世代へのアンケート(ママスタジアム:「子どものスマートフォン利用調査」)によると「子どもがスマートフォンを使用することがあるか」の問いに、1歳児で74%、2歳児で85%、それ以上は90%以上という結果が出ているにも関わらず、「子どもがネット接続端末を使用し始めるのに最適な年齢」と考えているのは、小学校低学年と考える保護者が28.2%と最多になっていました。まだ早いと思いつつ使わせている。理想と現実のギャップを垣間見るようです。

 

参加者の皆さんも公共の場で子どもを大人しくさせる為にスマホを渡したり、子どもがいる横で親がスマホを使い続けている光景を幾度と無く目にしており、親子のコミュニケーション、スキンシップの欠如に危機感を抱く一方、仕事の場でも働き盛りや中堅と言われ、女性の社会進出も高まり忙しい子育て世代が、ちょっと気を抜いている一コマを殊更取り立てて追いつめているのではないかという意見もありました。

 

過度の使いすぎには気をつけましょうという有識者のコメントはあるけれど、過度とはどの程度を言うのか判断基準が曖昧なのが今の現状。

知育アプリが続々と発売され、言うことを聞かない子どもを泣き止ませる為に「鬼さんから電話がかかってくるよ」と怯えさせるものもある。
しかし上手に選択し使わせれば、子どもの想像力や好奇心を高め、逆に親子のコミュニケーションを生むものもある。
このスマホ、タブレット問題は功罪がわかっていないだけに、慎重にならざるを得ないが、使わせる、使わせないの是非を議論するのではなく、子どもの健全な心と体の成長を第一に考え、今の社会背景、子育ての現状にあったアドバイスが必要ではないかと一致しました。

 

子育てには守るべきものと、時代に合わせて変えていくものがあるという話しも出ました。
子どもは産まれた瞬間から親を欲し甘えたいと思う。時代が変わっても子どもの本質は変わりません。それに寄り添いたいという父性、母性の本質も変わっていないと思います。でも忙しい毎日の中で十分に子育てに向かえないジレンマも想像できるところです。
「子育て」を「孤育て」と例えられることがありますね。

核家族化が進む中、経験者からアドバイスを得る機会も少なく、正解のない子育てに不安なままに向き合っている姿が目に浮かびます。

このスマホやタブレット問題もそうでしょう。
もしかしたら一番必要なのは、親同志の情報交換の場ではないか。そういう場作りをするのが、先輩世代の役割ではないかと言うアイデアも出ました。何才頃にどんな使わせ方をさせればよいか、モノサシの目盛りがないだけに、こればかりは子どもの様子を見ながら親が創り出さなければいけないのですもの。情報だけでなく不安の共有も前進に繋がります。周りのパパママと話すのも参考になりますよ、きっと。

情報交換の場と言っても、仕事をするママも増えてきましたから、それをネット上の意見交換(SNS等)で補うこともありだと思います。
我々も、使わせる時の注意点やアプリの選び方などを今後も発信していきたいと思います。

 

これまで青少年のネットトラブルは、モラルもルールも教えられていない中高生が、いきなりネットを使ってトラブルに見舞われるということがネックになっていました。

でもこれからは違います。
乳幼児の頃からそれらを使う時のお約束、考え方を教えられるチャンスです。

今乳幼児の子育てをしている皆さんが、子どもとネット社会のより良い接し方のモデルを創っていくニューエイジです。
前向きに考え、デジタルとアナログを上手に取り入れた育児をしてほしいと願っています。

次回はiPadを使ってICTタイムを取り入れている佐賀市の幼稚園を紹介したいと思います。(続く)


 

【シリーズ】乳幼児にスマホやタブレットを使わせる親をどう思いますか?『スマホに子守り問題』
(3)iPadでICTタイムを取り入れている幼稚園
(4)啓発の形を考える
(1)私の時代はビデオを責められていた
(2)博多で白熱議論


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