子育てにはさまざまな神話が存在します。「3歳までは親は子どものそばにいたほうが良い」「母乳で育てなければいけない」「紙おむつはだめ」。何を隠そう私もそんな神話を信じ、振り回されていたひとりです。
だってたった1度の子育てですもの(何人子どもがいようとその子の育児は1回)。誰だって失敗したくないでしょう?
過ぎてわかったのは、神話は数年すれば真逆が真となる場合もあるということ。
であれば頑なにこだわるより、あくまでも参考程度に受け止めゆるやかに考えればよかったなぁと反省しきりです。
「であるべき」論は、子育て世代を追いつめることがあります。神話や通説にふり回され、少しでもはみ出そうものならもろくも自信を喪失します。
皆さんは公共の乗り物や静かなレストランで小さな子が泣きわめいたり騒ぎだしたらどう思いますか?
言い聞かせても、大人の理屈より自分の感情が先に立つのが子どもです。収集がつかないこともあります。
「周りに迷惑かけている。白い目で見られているんじゃないだろうか」私も息子が小さい頃は数え切れないほど心臓が縮こまる思いをしました。
そんな時、しばらくスマホを渡して静かになるなら私は渡すだろうと思います。楽をしたくて渡しているのではなくやむ無しで。
「スマホで子どもを黙らせてダメな親ね」と批判的に捉える人がいるならば、自分は子供時代そんなに聞き分けの良い子だったのか考えて欲しい。子育て経験があるのならばそんなにパーフェクトな子育てをしてきたのかを思い出して欲しいと私は思います。
「子どもは泣くのが仕事、パパママも大変ね」と寛容な目や声があれば、もしかしたらスマホであやす必要もなくなるかもしれません。
親世代が若くなり、子どもにデジタル機器やインターネットを使わせる事の親子のギャップが狭まる為、次第に家庭での教育が上手く循環していくのではないかという期待の声もありますが、今の子育て世代でさえも、乳幼児期にはスマホ、タブレットは存在していなかったので、自分の経験を我が子に活かすことはできません。
このスマホに子守り問題は新たに登場した問題です。
啓発は大切です。しかし、「聞いて欲しい人、必要な人に届かない。」というのは永遠の課題です。だからこそ『早寝早起き朝ごはん』『スマホに子守りをさせないで』のように広まりやすいスローガンを立てるのも1つの手段でしょう。
でも過剰反応してデジタル機器やネット社会を遠ざけて問題解決と押し切ろうとしたり、デジタルかアナログかと対立させて考えるのではなく、どちらも良いものを上手に取り入れていけるようバランスを重視すべきではないでしょうか。
今の時代の子育ては、従来のそれとは比べられない難しさを抱えています。
若い世代のパパママもそんな中、きっと子どもの幸せと成長を願って日々悩みながら頑張っているのだと思います。
スマホやタブレットの問題も数年経てば新たな機器や問題に移っているかもしれません。
でもいつの時代も真ん中にいる子どもの事を第一に考え、まずは親が前を向いて育児をしていけるよう支援ができる社会であることを願っています。
【シリーズ】乳幼児にスマホやタブレットを使わせる親をどう思いますか?『スマホに子守り問題』
(1)私の時代はビデオを責められていた
(2)博多で白熱議論
(3)iPadでICTタイムを取り入れている幼稚園
(4)啓発の形を考える
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